2013年03月21日の読書
2013年03月21日(Thr)
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本日の初読図書: ドラマ「ビブリア古書堂の事件手帖」にまんまと乗せられて、借りてきちゃいましたよ(笑) この本の収録作は、
「二銭銅貨」 「D坂の殺人事件」 「心理試験」 「白昼夢」 「屋根裏の散歩者」 「人間椅子」 「火星の運河」 「お勢登場」 「鏡地獄」 「木馬は廻る」 「押絵と旅する男」 「目羅博士の不思議な犯罪」
の12作品。 乱歩を読んだことがない人でも、タイトルぐらいは目にしたことがあるだろう話がけっこう含まれているあたり、やはり名作をピックアップしてあるのでしょうか。 ちなみにD坂〜と心理〜と屋根裏〜は、明智小五郎が登場する物語です。 読んだ感想としては、んーーー、やっぱり微妙、かな。個人的な感想ですが。 ほぼ一日で読み切っちゃったあたり、おもしろいことは確かなんですが……この一種独特な世界観にどっぷりと耽溺するには、自分はもうスレちまったというか。もう少し若い頃に読んでいたら、良かったかもしれません。それこそ漫画家のJETさんが描かれる、幻想怪奇に夢中になっていた時期にとか。 そう、まさにJETさんの世界です。というか、JETさんご自身が横溝正史とか乱歩の大ファンだと公言してらっしゃるので、むしろあの方の世界観の根元こそが、ここにあるのでしょうが。 いくつかの作品には、附記として言い訳めいた乱歩の後書きがついているのも、ちょっと興が醒める点でした。 良いじゃん別に尻切れトンボでも。むしろそこがまた、たとえて言うなら手足のないトルソーめいた、一種アンバランスな中にも想像の翼をたくましくさせる、曰く言い難い面白味を出していると思うのですよ。 特にデビュー作だという二銭銅貨など、読者に「なんだよそんなオチかよ〜〜」と思わせておいて、最後の最後に「え?え?どういうこと??もしかしてそういうことなの!?!?」と思わせる記述が心憎いです。 「白昼夢」の脈絡のないオチなさは、まさにJETさんの絵で思い描きたいところ。 「人間椅子」はまた、終わり方が格別ですね。この本に収録されている中では、この話が一番好きかもしれません。それは私もまた、ある程度文章を書く人間としての視点を持っているからでしょうか。 「鏡地獄」のストーリーはネタとして知っていましたが、改めて読むと、それを最初に思いつくその発想に唸らされます。そしてどれだけ想像しても想像しても、『彼』がどんな光景を見たのかが思い浮かべられません。今の技術なら再現することは簡単なのでしょうが、果たしてそれは許されるのか。そしてその光景を見てみようという、その勇気を持つ人間は存在するのか。 ……実はもう、どっかの記念館とかに、実物が存在したりして(笑) 「押絵〜」は、ちょっと京極夏彦の作品を思い出しました。軽くトラウマって一回しか読まなかった……魍魎でしたっけ? 「ほぅ」ってやつ。あのラストシーンは、あるいはこのお話のオマージュだったのかも。
さて、次は「孤島の鬼」か「パノラマ島〜」を借りてくることになるのかな……
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No.4651
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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