よしなしことを、日々徒然に……
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 2013年01月11日の読書
2013年01月11日(Fri) 
本日の初読図書:
4061312804英雄ここにあり―三国志 (中) (講談社文庫)
柴田 錬三郎
講談社 1975-06

by G-Tools
……ようやくここまでたどり着いたか、な中巻読了。
中巻400ページ目にしてやっと、孔明さんが劉備のもとに参じました。な、長かった……そして物語は(おそらく)「赤壁」に向けて、着々と準備を進めてゆく場面で以下最終巻へ。

今回の見どころは、なんと言っても「関羽千里行」でしょう!
私は寡聞にして知らなかったのですが、三国志の中では有名エピソードらしいですね。

関羽、あんた単なる「一見偉そうに見えるだけの髭親父」じゃなかったんだ。

……いや、酷い言いようだとは思いますが、ほんとそんな感じで(苦笑)
とにかく劉備主従は、「人徳によって誰かの守護下に入る」→「土地を与えられる」→「張飛が馬鹿をやる」→「関羽フォローしきれず」→「惨敗し土地を失って落ちのびる」のエンドレスで。もうおまえら、少しは進歩しろよともの申したく。 地図を片手に読んでいると、劉備陣営の中国全土を股にかけた迷走ぶりに眩暈がしそうです(−ー;)
今回も張飛がむざむざと敵の罠にはまり、劉備は自分の立場もわきまえず自らそれを助けに行って、あえなく敗走。張飛ともども行方不明。
ただ一人残された関羽は、主人から託されたその妻子を守るべく、曹操の捕虜となり許都で虜囚の身に。勇猛な武将である関羽を配下に加えようとする曹操から、金銀財宝やら高い地位を贈られるも、それらすべてに見向きもせず、しかし怒りを買って切り捨てられぬよう、文字通り決死のバランス感覚で過ごすこと一年あまり。
ようやく劉備の消息が知れるや、すべての財物を目録付きで置き残して、妻子を護衛しつつ千里を越えて劉備の元へとひた走る……くぅぅっ、格好いいじゃないか! 今までが今までだけに(爆)

それを見送る曹操がまた粋なんだ……どんな金銀財宝や弁舌を尽くそうとも、ついに関羽の志を移すこと叶わず。天下に比肩する者なき義士よ! と、わざわざ馬を駆って路銀を渡しに行き、なお受け取ってもらえぬずとも余の徳が薄きゆえと反省し、せめて一枚の衣服を贈る。そうして馬上から見送るその後ろ姿の佇まい、さすがは曹操!

……それに引き比べ、張飛よ……劉備や関羽と「死ぬときは同じ」とか誓っておきながら、劉備が生死不明の一年間、やってたのは山賊の親玉か……(−ー;)
そもそも張飛がたまに頭使ったと思ったら、何の罪もない一平卒を片目潰れるほどボコボコにしまくって、嘘の情報を持たせて敵に寝返らせるって……しかもその成功を「我が策略はどうだ」と胸張って誇るって、それが仁義を売りにした陣営のやることかと。いやもう、さすがは中国クォリティ。兵隊の命などゴミのようだヽ(´〜`)/

そして孫策よ……前回「今後が非常に楽しみ」と書いた、私の言葉を返せ。まさかよもやのその最期って……(遠い目)

孔明が味方についてからも、相変わらず劉備さんは「民達を見捨てることはできぬ」と無茶を言っては、折角の策を無駄にして結局民達もろとも壊滅の憂き目を見たりとか。ちょっとはマシかと思えた超雲子竜は超雲子竜で、かの有名な子供を懐に入れての一騎駆けが、実は自分のうっかりで敵陣に取り残された子供を助けに行った(しかも母親はそのせいで死亡)んだとか、もうつっこみどころが満載。
孔明よ……ほんとに、ほんっとーにこの陣営について、悔いはないのか??

三国志って、ええと正史じゃなく演義?って、本当にこういうお話なんでしょうか。どこまでが柴錬の脚色なのかがよく判らないので、いまひとつあれなんですが。
まあ、お話としては非常におもしろいですよ? むしろそれだけ惹き込まれるが故に、いっそう苛立ちがつのるというか。
まあそれは、どの陣営に感情移入するかにもよるんでしょうけど。
……私が昔に挫折したのは、劉備よりで読んでいたからかもしれません。今はどっちかというと曹操よりです。この人はかなり初期から思想にもキャラクターにもブレがないので、安心して読めるというか。

ちょうど今日、BSプレミアムで曹操をメインにしたドキュメンタリーを見たんですけど、近年では中国でも曹操のことを見直す動きがあるらしいです。ラストの展開を考えても、やっぱり曹操よりで読む方が精神衛生上良いかも……?
No.4462 (読書)

 
 この記事へのコメント
 
iwamoto  2013/01/11/23:19:22
現在では「孟徳」の人気が高いのだとか。
真の変革者ということのようです。
毛沢東も言ってましたっけね。
 
No.4463
 
神崎真  2013/01/11/23:57:03
上記のドキュメンタリーによると、三国志演義が書かれた時代(三国時代より900年ののち)には、北方民族に魏があった土地を奪い取られ、しかもその北方民族が曹操を高く評価していたため、中国(南宋)ではことさら曹操を貶める表現で小説化した、といった経緯があったようです。
正史をひもとくと、曹操は合理的で有能な人物を多数登用し、税の取り方なども新たに制定した、有能な開拓者だったと読みとれるのだとか。

……とか言いつつ、「誤解で恩人の家を皆殺し」というエピソードは正史にも書かれているので、似たようなことは実際にやっていたのだろうと言うことですが(苦笑)
まあ実在の人間、しかも政治家なんて、いろんな面を持っていてあたりまえですしね。
 
No.4465

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
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