2012年11月20日の読書
2012年11月20日(Tue)
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本日の初読図書: 名門お嬢さま学校 聖ミカエル学園。そこは明治三十六年の創立以来、良家の子女を対象に「良き妻、良き母たれ」という教育を施す、綺羅の空間である。少女達は見苦しい俗世間から遠ざけられ、大天使ミカエルの翼のもと、清らかに和やかに品の良い「大天使の乙女達」として育ってゆく。 しかしいずこの世にも例外は存在する。どんな集団にも、そこになじめないマイノリティはいた。 母子家庭で育ち、母を病気で亡くすと同時に、生き別れの兄に引き取られた司城史緒。彼女が産まれる前に死んだという父親は、伯爵家の血をくむ名家の出だったのだ。姑との折り合いが悪く、父が死ぬとすぐに追い出された母と貧しく、しかしたくましく生活してきた史緒は、骨の髄から庶民だった。祖母の死後初めて彼女の存在を知ったという兄が、純然たる好意から史緒を引き取ってくれたのは判るが、どうしても兄とのハイソな生活になじめず、朝から晩まで胃の痛むような思いを強いられている。 また斎木和音は、成金の父と華族出身の母を両親として持っている。父親は何人も妾を囲いつつそれを家族に隠そうともせず、母親は顔色ひとつ変えることなくすべてを黙殺。家事も育児も放棄して、趣味の世界だけに生きていた。破綻した家族の代わりに和音を育てたのは、父親の右腕で教育係の青年だったが、これがまた口うるさい。そんな環境で成長した彼女は、どうにもお嬢さまらしからぬ、がさつな性格になっていた。 そして更科柚子は、正真正銘成金の娘。数年前までは大衆食堂にすぎなかった家業が、外食ブームに乗って一大レストランチェーンになってしまったという経緯である。柚子を含めた家族は皆、心の底から庶民のまま。広々としたダイニングルームを持て余し、すみっこに愛用のちゃぶ台を置いて食卓を囲むような貧乏性だ。そんな彼女が聖ミカエルに通うことになったのは、単に家から一番近かったからでしかない。ところがいざ登校してみたならば、周囲はみな筋金入りのお嬢さまばかり。ごきげんよう柚子様、お茶会をいたしましょう。なまじ上級生に可愛がられてしまうだけに、庶民の彼女には身の置き所がない。 しかしそんな彼女たちにも、空気を読むぐらいの気配りはあった。 エサのいらない猫を何匹も肩や頭に乗せまくり、周囲に合わせて良家の子女らしく日々を送る。結果、ストレスはどんどん蓄積されてゆく。 あー、ガッコに行きたくない…… 内心で毎日そう呟いていた彼女達は、ある日のこと、運命的な出会いをとげる。 お嬢さまになりそこなった三人の少女達は、新たに得た友人と共に、学園生活を楽しみ始めた。が、やがて彼女達は、良家の子女を狙った連続誘拐事件に巻き込まれてしまい……
先日「パーフェクト・ブルー」の感想で黒犬ダミアンについて触れたら、懐かしさがつのってしまい、思わずポチリ。 知る人は知っているだろう、昭和終わり頃の名作です。この方のこの時期の作品は、どれも深く印象に残っているからすごいと思います。だって持ってないただの少女マンガなのに、二十年以上たっても内容覚えてるって……(ため息) なんというか、話の展開とか表現方法などが独特なんですよね。予想の斜め上を行くというか。少年マンガだと、あろひろしさんとか近いかもしれません。 それに私は知識うんちくが好きなので、随所にちりばめられた、ちょっと斜めから見た雑学がすごくおもしろいのですね。キリスト教のあれこれに始まり、源氏物語やら原始人や元素の周期表などなど、川原先生はいったいどれだけの引き出しを持っておられるのでしょう? ……このあたりは加藤元浩さんに共通するかもです。
性格的に周囲となじめない主人公達が、共通する感性を持つ仲間を見つけて友情を深めていくのも、個人的に大いに感情移入できるところ。
文庫版だと全2巻。1巻目は、同級生達に続いて主役三人までがさらわれ、マリーニ神父が偽物だったと判明するところまで収録されています。284ページは、コミック文庫にしてはちょっとページが少なめかな。2巻目はさらに薄そうです。まあ、半額以下で古本購入したので、なにも文句は言えませんがね。 ……ああ、他にも持ってない作品けっこうあるんだよなあ。うっかりポッチりしちゃいそうだ……(懐)
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No.4340
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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