よしなしことを、日々徒然に……
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 2012年04月13日の読書
2012年04月13日(Fri) 
本日の初読図書:
409386280X謎解きはディナーのあとで
東川 篤哉
小学館 2010-09-02

by G-Tools
宝生麗子は国立署の若き女性刑事。
直属の上司である風祭警部のもとで、日々事件の捜査にたずさわっている。
風祭警部は32歳の気障な男。自動車会社『風祭モータース』の御曹司という、成金趣味の独身貴族だ。常に自信満々で人の話を聞かず、的はずれな推理と己の自慢話ばかりしては現場を混乱させている。麗子はそんな警部の舵を適当に取りつつ、殺人事件の捜査にいそしんでいるのだった。
もっともそんな麗子も、ひとたび職場を離れ自宅に戻れば、華麗な変身を遂げる。
そう、彼女こそは正真正銘の『お嬢様』。
世界的な複合企業『宝生グループ』総帥の一人娘で、一流大学を優秀な成績で卒業した彼女は、中堅会社の馬鹿息子 風祭警部など足元にも及ばない桁外れのセレブリティなのだった。
仕事中には地味なパンツスーツに黒縁伊達眼鏡という、TPOをわきまえた格好をしているが、自宅では華やかなワンピース姿で優雅にくつろぐのを楽しみにしている。
そんな彼女には、ひとりの執事が付き従っていた。一ヶ月ほど前に代替わりしたばかりのその男は影山といい、まだ三十代の若さながら、なかなかの物腰と有能さを兼ね備えているようだ。
……しかしひとたび事件の話を耳にすると、影山の態度は微妙に変化する。
「ひょっとして、お嬢様の目は節穴でございますか?」
毒舌執事影山は、麗子の語る調査情報をもとにして、夜ごと見事にその謎を解き明かしてゆくのである ――

ブックカバー作りに没頭していたら、うっかり三日も掛かってしまいました(苦笑)
ご存知、櫻井翔主演ドラマの原作小説です。
うむ、まったくもって良くできたノベライズでした(笑顔)<違
いやあ、なんというか、そう言いたくなるんですよ。ドラマとの違和感はほとんどなく、影山は櫻井さんだしお嬢さまは北川景子だし、風祭警部は椎名桔平そのまんまでした。素直に見れば、ドラマがとても丁寧に作られていたということなのでしょう。
……でもね、ドラマの方が小説より情報量が多いってどうなんですか(苦笑)
一本一本が短い短編集を、一話一時間でドラマ化したので、たっぷりとエピソードを追加する余裕があったのでしょう。
ドラマで為されていたアメコミ調の演出はともかくとして、毎回の決め台詞「謎解きは、ディナーのあとにいたしましょう」が原作にはなかったことと、同じくお約束だった「影山、車をまわしなさい」に引き続く証拠捜しと犯人との対決も、ドラマオリジナルだったことがびっくりでした。
お嬢さまがいつも犯人に対して(甘い正論ではあるけれど)良いことを言うのと、影山の「どうか***をお忘れなきよう」という台詞が、この二人の人間性を深めていたと思うんだけどなあ。 そういえば姿を隠して出没するストーカー執事も、原作にはいなかったな……
あと文章もかなりライトな文体でしたね。本格ミステリだと思ってこれを読んだ人は、確かに少々期待はずれかもしれません。でも最初からライトノベルとかユーモアミステリーを期待して手に取れば、かなりおもしろいと思います。
ましてドラマを見てから原作読もうかな〜と思った人は、充分に満足できるかと。
麗子も影山も風祭警部も、行動とか台詞回しとかまったくドラマそのまんま。特に風祭警部はもう(笑) あ、それでもドラマよりはちょっと有能っぽかったかな。
トリックや犯人の類もおおむね忠実……というか、改変があった部分は、ドラマの方がむしろ出来が良かったような気もしたりしなかったり。
もっともこの巻でもドラマでも最終話だった「死者からの伝言をどうぞ」については、ちょっとドラマはエピソードを盛りすぎ。この話に関しては原作をそのままやった方が良かったんじゃないかなあ。せっかくアクションシーンもあったことだし。……まあドラマでは毎回現場に乗りこんでますから、最終話でついに影山が現場に! というインパクトは薄れるかもしれませんが。
ああ、あと風祭警部→ホウ・ショウレイの片思いエピソードもなかったですね。風祭警部とお嬢さま+影山との邂逅はありません。そういう意味でも、ドラマの方がエンターテイメント性に富んでいたかもです。
安楽椅子探偵というカテゴリにおいては、探偵役がほぼ外出しないこっちの形式の方が正しいのでしょうけれどね。
ともあれ、半年待った甲斐はありました。なかなかおもしろかったです。
No.3702 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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