よしなしことを、日々徒然に……
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 2012年03月30日の読書
2012年03月30日(Fri) 
本日の初読図書:
4894257181死なない男に恋した少女 (HJ文庫)
空埜 一樹 ぷよ
ホビージャパン 2008-06-30

by G-Tools
高校二年生の乃出狗人(のでくぎと)は、一見すると普通のどこにでもいそうな少年だ。しかしそんな彼は県下の高校すべてを束ねる番長として、その名を馳せている。なぜならどんな不良やチンピラに喧嘩を売られても、最終的に立っているのは彼だったからだ。
狗人は「死なない男」だった。大人数でフクロにされようが、刺されようが撃たれようが、平気で起きあがってくる。最終的に疲労困憊し、あるいは恐怖にかられ逃げてゆくのは、常に相手の方。ゆえに平穏無事に過ごしたいと願う狗人だが、その意に反し恐るべき不良として周囲から恐れられていたのである。
ある晩のこと、狗人はコンビニ帰りに偶然殺人現場に出くわした。全身血塗れになりながらナイフをふるい犠牲者を滅多刺しにしていたのは、狗人と変わらぬ年頃の美少女。彼女は呆気にとられた狗人の心臓をも、容赦なく刺し貫いて立ち去った。
そして翌日。いつもと同じくごく普通に登校した狗人のクラスに、転校生がやってきた。清楚なお嬢様風の転校生は、桐崎恭子と名乗る。紛れもなく昨夜の殺人犯であった。驚く狗人と同様、彼女も殺したはずの狗人を見て驚愕しているようで。
昼休みに体育館裏で顔を合わせ、再度の話し合い……もといナイフの洗礼を受けた狗人は、自分が不死身であることを恭子に告げる。すると彼女は顔を輝かせた。そうして狗人の両手を握りしめて叫ぶ。
「すばらしい! 恋人になってくれ!!」
桐崎恭子は、刃物で肉を切ることに快感を覚える天才連続殺人鬼だった。なにも人を殺したい訳ではない。けれど人間は脆く、切ればすぐに死んでしまう。そんな彼女にとっていくら切っても死なない狗人は、初めて出会えた理想の男だったのだ ――

「不死身だけれど、普通の感性を持つ男子高校生」という紹介文に釣られて購入しました。久しぶりに読んだ気がするライトノベルです。
……うーむ、なんだろう、この読後感は(悩)
以下の感想は微妙なのでたたみます。

おもしろいはおもしろかったんですよ。なのになんかこう、いまひとつ釈然としないというか。
自分が正常ではないことを理解し、なんであれ罪は罪だと認めている。それがなまなかなことで償えないものだと言うことにも言及しているし、いずれ裁かれる時が来たならば、受け入れる覚悟も持っている。そんな苦悩とけじめを持った生き様は、きちんと描かれているのですけれど。
……それなのに、どうもヒロインに感情移入できないのはこれがライトノベルだからなのか。
うん、良くも悪くもライトノベルという感じなのです。
いっそ彼女がダークヒロインとして突き抜けた悪人だったならば、ここまで複雑な気持ちは感じなかったかもしれません。ダークヒーローものとしては、ヘ●シングとかだって相当なものでしたし。
あるいはいっそギャグものとして、不死身×単なる刃物フェチとかでも普通に楽しめたと思います。
要するに、半端に善人の感性を残していながら、快楽殺人者として罪なき人々を殺しまくってきたキャラクターが、ポップでライトに書かれているのが座り心地が悪いような。このキャラで「ラブコメディ」ってありなの?みたいな。 人死にや流血シーンも、なんか描写が軽い感じがするし。狗人お前いま血まみれちゃうの? そのままの格好で人前歩いちゃうの?? 的部分が随所に。
二巻目も同時購入しちゃったし、おもしろかったからちゃんと読むでしょうけれど……正直この作品は、まだ善悪価値基準のはっきりしていない「子供」には、あんまり読んでほしくないなあと思ったりしました。ヘル●ングなんかもそうでしたが、これはダークヒーローをダーク「だから」格好いいではなく、ダーク「だけど」魅力的と受け取って楽しめる、「大人」が読む作品じゃないかなあと思ったのでした。
No.3678 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。

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