2012年03月22日の読書
2012年03月22日(Thr)
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本日の初読図書: 湯川先生のシリーズ四作目。 ずっと出ていることすら知らなかったんですけど、最近になって図書館に入荷。二ヶ月ぐらい予約待ちして、ようやく借りられました。 ……唯一ドラマを見た2時間スペシャルが、オリジナルストーリーではなくちゃんと原作付きだったことも初めて知りましたよ。五作収録されているうちの二作(「落下る」、「操縦る」)がドラマのもとでした。こうして読んでみると、かなり忠実な映像化だったんですね。……ツッコミどころだった、窓から飛び出した刃物がピンポイントで釣り糸や木の根を切ったり、湯川先生突然着衣で海に飛び込み20m潜水&証拠発見とかはドラマ独自展開でしたが(苦笑) しかし今作を読むと、「……あれ、湯川先生ってこんな人だったっけ?」と思います。これまでこの手の素人探偵モノにしては、湯川先生も草薙さんも、拍子抜けするほどアクのない普通の人だった気がするんですけど。なんか今作ではドラマのキャラクターに近い、変人度が加味されているように思えてなりません。 草薙さんが出世してしまったせいか、現場で行動を共にするのが女性刑事 薫さんになっているところも、印象がドラマに近づいている一因かもしれません。良くも悪くもエンターテイメント度が増したんじゃないでしょうか。 私の中では湯川先生=佐野史郎だったのが、今作では福山さんっぽく感じられちゃうし。 話の内容としては、やはりドラマの元となった「操縦る」が一番おもしろかったです。トリック、動機、犯人の造形、そしてラストシーン。どれも印象深いです。特に魅力的な犯人像というのは、なかなかお目にかかれなくて貴重かと。 「指標す」で湯川先生がダウジングについて示した結論も、科学者らしからず、人間として素敵なものだと思います。 「落下る」は……映像化された時から、なんというか辛かったです。いや本人は判っていて、あえて可能性を示してみせただけなんですけどね。やはり探偵が的外れな推理をするのは、どうにもいたたまれないのです。 「密室る」は、まあ可もなく不可もなく。文章だと、いまひとつホログラムがどういうものか判りにくいのが難点でしたか。 「攪乱す」は、逆恨みって怖いなあというお話。トリックよりも心理的な描写がおもしろい作品でした。こういうのを読むと日常生活を送るのが怖くなりますね。逆恨みされた湯川先生はもちろん、殺された人たちさえも、完全に災難以外の何ものでもない通り魔的無差別だし。 そして民間人に、思いきり命がけの囮捜査させてるんですが……やはりフィクションですねえ(苦笑) 巻末リストによると、ほかにもまだシリーズの作品がある模様。そちらもチェックしておかなければ……
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No.3668
(読書)
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プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
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