よしなしことを、日々徒然に……
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 2012年01月11日の読書
2012年01月11日(Wed) 
本日の初読図書:
4101174156影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)
隆 慶一郎
新潮社 1993-08

by G-Tools
慶長五年(一六〇〇年)の関ヶ原の合戦。
開戦直前、西軍 石田三成配下の武将 島左近は、手の忍び甲斐の六郎を東軍の中へと侵入させていた。狙うは徳川家康の、首 ――
圧倒的に不利な状況のそのいくさをひっくりかえすには、総大将を暗殺するよりほかないと結論したからだった。そして六郎は首尾良く家康を刺し殺し、手傷を負いながらも帰還する。
しかし ―― 徳川家康には影武者がいた。とっさに殺されたのはその影武者の方だと偽り、そして続けて合戦の指揮をとった彼は、見事に東軍の勝ちを収めたのである。
その男の名は世良田二郎三郎。かつては一個の野武士として各地を転戦し、一向一揆の際には一揆衆としてかの織田信長をも狙撃した生粋の「いくさ人」であった。
十年間に及ぶ影武者生活で、家康の持つ兵法や思考法までも身に付けた二郎三郎は、己の置かれた状況を冷静に判断する。
自分の価値は、家康として征夷大将軍の地位につき、それを家康の世子である秀忠に譲り渡すこと。そして大阪城に住む豊臣秀頼を廃し、徳川の世を作り出すまでの旗印であること。その二点にあるのだと。秀忠に戦国武将達をまとめる器はなく、『家康』というカリスマの存在がなければ、徳川盤石の世は作り出せないのだ、と。
しかしそれが終われば、家康が贋物だという証拠である自分は殺される。死にたくないならば、できるのは秀頼を殺さないことだ。少しでも長く事態を引き伸ばし、己の生きる道を模索すること。
元野武士として、徳川家への忠誠など持たない二郎三郎は、そう結論してひそかに活動し始める。
また、かろうじて関ヶ原から落ち延びた島左近と甲斐の六郎もまた、水面下で動いていた。やはり家康が贋物だと知る彼らは、同じ推察から二郎三郎が秀頼の延命を望んでいることを察知し、二郎三郎の身を秀忠らから守ろうと決意したのだ。
ここに徳川家康の影武者と石田三成配下の武将が手を組むという、奇妙な図式ができあがる ――

ここで何度も話題にしている、「花の慶次」とその原作「一夢庵風流記」。同じ原作者が書き、同じマンガ家 原哲夫がマンガにしたこともある、もうひとつの作品です。マンガ版は同タイトル「影武者徳川家康」と「SAKON(左近)」。徳川側からの視点と、島左近側からの視点みたいですね(昔パラ見した程度)。しかもマンガ版は未完??
しかし、この原作はめっさ面白いです! いわゆる歴史改変物とは違い、公的な歴史はあくまで史実の通り進んでいきます。その裏でどのような『真実』が展開されていたのか、という作りになっているわけですね。とにかくその『史実』の書き込みようがすさまじい。あらゆる文献を引用し、関ヶ原以前、信長存命の三河一向一揆の頃までさかのぼって、影武者になる前の二郎三郎の人生が綿密に描かれていきます。家康影武者説についても、どうやら元となる説が事前に存在したらしく、その根拠を幾つもあげてまことしやかに語っています。何ページも台詞がなく、地の文でびっちり埋められていることもしばしば。とにかく内容が濃いです。史実の知識がほとんどない私など、ネットで見つけてプリントアウトした旧国名の地図と電子辞書を横に置いて、首っ引きで読みました。下手な教科書よりも、よっぽど歴史の流れが頭に入る感じです<慶長五年 関ヶ原とか、天正十年 本能寺とか(笑)
またね、キャラクターが良いんですよ。男達の立場をこえた友情とか。戦国たたき上げの筋骨隆々たる歴戦のいくさ人が、ふとした折りに見せる含羞(はにかみ)の色とかvv
こんちくしょう、格好いい上に可愛いなんて、どんな萌えキャラだvv
二郎三郎も島左近も甲斐の六郎も風魔の小太郎も、みんな素敵で目移りしてしまいます。秀忠の嫌われっぷりも、一種突き抜けていて、ここまでくればある意味見事というか。
史実では1615年に大阪夏の陣で秀頼が死に、その翌年に家康七十五才で病死。秀忠が二代将軍となるわけですが……この話ではどういうふうに落ちをつけるのでしょう。まったく予測がつきません。
とりあえず、上巻終了時にようやく1603年。征夷大将軍に就任しましたけど……二郎三郎が十五年頑張ったからと言って、素直に死んで将軍位を渡すとは思えないんですよね……いやあ、続きが本当に楽しみです。
No.3558 (読書)

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 プロフィール
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
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