2008年08月26日の読書
2008年08月26日(Tue)
|
|
|
本日の初読図書: 二十一世紀半ば、月面で発見されたホモ・サピエンスの死体。それは現在の月面基地に所属する誰でもなく、またこの地球に属する人間でさえもなかった。なぜなら宇宙服を着たその死体は、五万年も前に死亡していたことが確認されたからである。 地球人類とあまりにも酷似した、しかし明らかに地球人類ではない彼を、発見者達はルナリアンと名付けた。 またいっぽう木星の衛星ガニメデでは、氷の中から地球人類とは全く異なる進化を遂げた知的生命体の宇宙船が発見される。 その装備や遺された手記、標本などを解析していく中で、やがて人々は壮大な宇宙の歴史、その真実へと近づいてゆくこととなるのだが……
一昨日から三日かかりましたが、読了。古典SFの名作だそうです。 なんというかもう、確かにこれはすごい。読んでいく中で、最後の最後までいったいどこに落ち着くのか全く予測がつきませんでした。SFでありながら、壮大なミステリとも言えるんじゃないでしょうか。実際戦闘などのきったはったは全くありません。ひたすら科学者達が発見をくり返し、論議を戦わせております。 そして最後の一文がもたらす、ぞくりとするまでの達成感。 ちょっと最初の頃とか、科学的解説の部分とかがしんどかったですが、読後感は満足です。 ちなみにもとは七十年代に書かれたものだそうで。それだけに予想される未来の様相がまた面白かったりするんだこれが。それが古典SFの醍醐味でもあるんですが……たとえばソビエトが健在だったり、惑星間航行を成し遂げていながら、未だにテレビカメラが有線で何メートルもケーブル引きずってたり、その時代よりはるかに進んだ文明を持っていたとされるルナリアンの記録媒体がガラス板だったり(笑)
人間が住まう「表」と、妖怪達が住まう「裏」の賽河原町を隔てる境界守が大家を務める、下宿兼旅館、空栗荘。夏休みからそこに住まうことになった高校生太一は、九月に入りようやくそこから学校に通うのにも慣れ始めていた。 そんなある日のこと、裏の賽河原町が終わらない夕焼けに赤く染め上げられた。太一が初めてこの町を訪れた日もそうだったが、これは大家である境界守、柊二郎の見る夢が関わっているらしい。そのうち起きてくればこの現象も収まるだろうと楽観していた住人達だったが、しかし丸一日が過ぎても、大家は目を覚ます気配を見せず……?
大家さんはほとんど丸一冊寝っぱなしですが、事件そのものは二つ起きる、二部構成的な作りでした。一部目は太一のクラスメート釆菜の弟が行方不明になり、妖怪にさらわれた彼を連れ戻すお話。二部目は大家が目覚めない理由を探りつつ、その原因となった妖怪にまつわるお話。 どちらもちょっと切なく、ノスタルジックなお話でございました。 そして古都子さんの「空栗荘を逃げ場にしてはいけない」という言葉が突き刺さりましたね……ふふふ……(遠い目)
あと関係ないですが私、作者の霜島さんを、ずっと霧島さんだと思いこんでました。デビュー作リアルタイムで買ってるっていうのに、これまでずーっと(苦笑)
|
No.2071
(読書)
|
|
|
|
この記事のトラックバックURL
|
https://plant.mints.ne.jp/sfs6_diary/sfs6_diary_tb.cgi/200808262071
|
|
|
|
プロフィール |
神崎 真(かんざき まこと)
小説とマンガと電子小物をこよなく愛する、昭和生まれのネットジャンキー。
ちなみに当覚え書きでは、
ゼロさん= W-ZERO3(WS004)
スマホ= 003P(Android端末)
シグ3= SigmarionIII です。
|
|
|