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 楽園の守護者  第十四話
 ― 継承のとき ―  序 章
 ― Makoto.Kanzaki Original Novel ―
(2004/01/04 10:47)
神崎 真


 ―― かなうものなら、永遠に、と。
 そんな言葉が交わされたのは、そう遠い以前ではなかったはずだった。
 それは、代々のセイヴァン国王が、心の奥底に深く秘め続けてきた想い。
 己の責務を誇りと思い、そのために命すら削ることを、いとおうとは思わないけれど。
 それでも、願わずにはいられない想いがそこにはある。
 せめて、己で最後にならないものかと。
 自らの、息子に、孫に、同じ労苦を味わわせたくはないからと。
 故に彼らは、願わずにはいられない。
 かなうものなら、永遠に。
 この在位の年を、永遠にでも自身が引き受けるから、だから愛しい子らは何も知らずに時を過ごせれば、と。
 けれどそれは、けしてかなわぬ願い。かなえてはならぬ、想い。
 ならば、せめて。
 一年でも長く、一日でも多く。


 それはけして、ひとときでも長く、権力の座にありたいからと、
 そう望むが故の、欲望などでは断じてありえなかった。


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