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大陸西部に位置するレンブルグは、キメラにも人間と同等の市民権を与えると法で定めた、新世界でも珍しい都市であった。 元の所有者がそれを認めていること、犯罪歴がないことなどいくつかの条件は必要だったが、それでも市民権を与えられたキメラは、自由に子供を産むことができ、生まれた子供にもまた市民権が与えられる。そうして教育も仕事も、人間と同じものを許されていた。 ―― 少なくとも、表向きは。 実際には、未だに根深い差別意識が残されている。口では綺麗な建前を並べたてても、人間の本質的な意識はそうそう変わるものではない。雇ってもらえる先は労働条件が厳しく賃金の低い職場ばかりだし、住むことができる場所も、都市の南東部にある老朽化した一角 ―― 通称キメラ居住区 ―― にほぼ限られている。 それでもレンブルグでは、無条件の隷属を強制される訳ではなかった。どうしても耐えられない仕事は辞めることができたし、己の意思で職場以外を出歩くこともできる。そうして自分で選んだものを食べ、選んだものを着ることができた。 他の都市では得ることのできない『キメラにとっての自由』が、ここにはあったのである。 ―― 第一章 白い空の下 より抜粋 |
度重なる大規模な事故と戦争と災害によって、世界は一度崩壊した。
かつては特権階級達の それから数百年。ようやくある程度の安定した生活を送れるようになった人々は、 製造された時から人間に虐げられ続けてきた銀狼の青年は、気がつけばキメラが人権を持つことのできる街に、二年間の記憶を失った状態で行き倒れていた。失くした時間に未練は欠片もない。人間となど二度と関わりたくないと、心を閉ざしてキメラ居住区で暮らしていた彼だったが、その住まいであり職場でもある集合住宅が、ある日突然、年若い 作者からの補足: 設定だけはサイト開設以前から脳内にあった、古い古い古いネタをようやく形にできました。もう趣味丸出しで、あれもこれもぶち込んでいます(苦笑) 最初の方は鬱々と暗いものの、話が進むに従って、砂吐きモード注意。相変わらずキャラの辛い過去は標準装備なるも、ハッピーエンドは譲りません。 |
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■最終更新 2023/8/3 UP 第九話 後日談 ... Reminiscence. をUP。 小説家になろう 様にも転載しています |
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■本編 ↑旧 新↓→ (第九話 後日談まで/トータル 原稿用紙約1963枚) |
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■番外編(下記のDL版には含まれていません) ※このページへはブラウザバックで戻ってください。 |
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小話 1
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■DL版テキスト(TEXTファイルをZIP形式で圧縮) 鵺の集う街で 第一話〜第八話 一括 (596KB) ■DL版HTML(HTMLファイルをZIP形式で圧縮) 鵺の集う街で 第一話〜第八話 一括 (2.48MB) ※間取り図や挿絵が入っているので、容量が大きいです |
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■設定資料(※以下一部ネタバレあり) |
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登場人物 用語集 間取り |
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