++お礼SS ??


 はらはら ふわり

 風に乗って、花弁がおどる。

 ふわり ひらひら
 ひらり ふわり

 空を見上げれば、うっすらとした雲がほのかにたなびく、花曇り。
 そこに枝を広げた木を飾る花々は、薄紅というよりも、むしろただただ白く。よく目を凝らせばその中の、花弁の中心だけが時おりほのかに色づいていて。
 冬の間は乾いた枯枝のような、そのほかの季節は緑葉のしげる、何の変哲もないただの木が。
 この春だけは、見事に姿を装う、その不思議さは ――

 さやさや さやさや

 寒さではなく、心地よいさわやかさを感じさせる風が、枝を揺らし、花を散らす。
 ふりそそぐ白い欠片が、地面に、肩に触れてはまた舞い、戯れるようにおどる。

 首の後ろで束ねた長い髪も、風にそよぎ、花びらをまとわせて共に揺れた。

「おーい、なにやってる。始めるぞ!」

 離れた場所から、呼び掛けてくる声。
 ひときわ見事な花の下、広げたシートの上にはとりどりの料理と酒、肴。
 そしてこちらを向いて笑う、たくさんの笑顔。

 ふりそそぐ光は柔らかく、あたたかい。
 風は優しく頬をなでる。 

 うららかな日。
 おだやかな、春の日 ――


―― すみません、オチはないです。休日に見に行った桜があんまりきれいだったもので。



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