モノクロ
 モノカキさんに30のお題より】
 ― CYBORG 009 FanFiction ―
(2003/06/26 16:39)
神崎 真


 大きく傾いた太陽が、長い長い影を大地に落としていた。
 今にも地平線に飲み込まれようとしているそれは、どこかいびつに歪みながら、懸命に最期の光を投げかけている。


 ぼくの視界に映るのは、どこまでも同じ色の、濃淡。
 あかく、あかく、あかく、あかい ――


 視線を落とせば、ひときわ赤い防護服の袖に包まれて、見下ろした手のひらも、やはり同じ色に染まっていて。


 人工眼球ノ回路ガ、オカシクナッタノダロウカ。


 ぼんやりと、そんなことを思った。


 ソレトモ目ニ、『 ―― 』ガ入ッタノカモシレナイ。


 脳裏をよぎる言葉は、何故だか肝心の単語がぼやけていて。


 コレハ、何ノ色?


 黒く、暗く、明るく、鮮やかに。


 ぬめる手触り。嗅覚は既に麻痺していて、なにも感じることはなく。


 耳に届くのは、ただ吹きすさぶ風の音ばかり。


 唇を舐めれば、ひどくなじんだ、錆びた鉄の味がする。


 ああ。


 ため息を落とす。


 鋼鉄の部品パーツでできた、ぼくの身体は、ついに壊れはじめたのだろうか。


 赤い赤い錆を吹いて、壊れて、朽ちて、


 そうして ――


 この足元を埋め尽くす、壊れた人形のようなモノ達の中に、埋もれて、消える。


 ―― ダッテホラ。ボクハモウ、コンナニモ、アカイ。


 見わたす限り、広がる真紅。


 大地を染める血だまりの中、


 立っているのは、真っ赤に染まる、ぼくただひとり。


(2003/06/26 17:34)


【モノクローム:(1)白と黒だけの写真・映画 (2)単色画。単彩画】


モノカキさんに30のお題

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